コラム「凡言録」より7月31日
保安院「やらせ」
経産省は九電の「やらせ」メール問題をうけ、過去5年、計35回の国主催の原子力関運シンポジウムについて、電力各社に調査を指示した。中部電力と四国電力が、経産省原子力安全・保安院から原子力推進側の参加者動員や発言を指示されていたことを明らかにした▼
中部電力によると、07年8貝浜岡原発のプルサーマル計画に関するシンポのさい、保安院から会場に空席が目立たないように参加者を集め、質問者が反対派だけにならないよう住民に発言を依頼するよう求められた▼
四国電力06年6月の伊方原発のシンポで、保安院から出席者を集めて意見をだすよう指示を受けた。当時、国は使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを含むMOX燃料を使うプルサーマル計画の推進を図ったが、住民の反対で進まなかった▼
シンポではプルサーマルの必要性を資源エネルギー庁、安全面を保安院が説明する役割分担の形でおこなった。原発安全の監視役である保安院が「やらせ」を指示して世論を操る。欺瞞の極みだ。(7月31日)