コラム「凡言録」より8月1日
真の規制機関を
原発を監督する安全・保安院が電力会社、に命じて「やらせ」を繰り返していた。九電玄海原発再稼働問題だけでなく中部電力・浜岡原発と四国電力・伊方原発のプルサーマル計画のシンポジウムでも、参加者を集め、質問や発言の例をつくり、「やらせ」を指示していた▼
原発の規制機関であるべき安全・保安院の実態は、原発の推進機関である経産省の一部局であり一体となっている。「規制機関」を「推進機関」と分離し、原発を監視することは以前から指摘されていた▼
政府が福島原発の事故について、IAEA(国際原子力機関)に提出した報告書では、安全規制行政は安全確保の責任を持つ機関が不明確なため、力を結集して対応できなかった。保安院を独立させ、原子力安全委員会なども含めて規制行政の体制を見直す、としている▼
いまや規制機関の分離・独立は待ったなしの課題だ。独立した規制機関は新しい体制にふさわしく、「安全神話」と闘ってきた専門家、技術者を結集し、強い権限を持たせる必要がある。(8月1日)