コラム「凡言録」より10月1日
避難準備区域
政府は30日午後6時11分、福島第一原発から20〜30`圏内に設定していた緊急時避難準備区域を解除した。解除時刻が細かいのは、撃解除を決定した政府の原子力災害対策本部会議が終わった時間としたからだ▼
緊急時避難準備区域では、住民は屋内退避や避難に常時備えることを求められ、保育所、幼稚園、小中学校、高校は休園、休校とされていた。原発からの同心円で設定された広野町の全域と、南相馬市、田村市、川内村、楢葉町の一部だ▼
解除の理由は第一原発のプラントが安定状態にあるからというのだが。最近でも1号機の配管に水素が溜まっているという発表があり、不安は解消されない。「解除ありき」の政治判断が先行した。広野町の山田基星町長は「解除は国が勝手にしたこと。帰還とイコールではない」と話す▼
解除された5市町村の対象5万9千人にたいし、避難者は約2万8千人を超えている。放射性物質の除染はこれからで、解除されたからといって、すぐに自宅に帰り、元の生活を取り戻せるわけではない。(10月1日)
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