コラム−11月30日
「意見公募」
事業継続の是非が検討されている八ツ場ダム(群馬県)について、国交省関東地方整備局が「検討報告書」を作成した。「費用対策効果」の記述では、ダムで得られる治水や利水の利益はダム建設費用(総事業費)の6・3倍としている▼
報告書の内容に疑問があると、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が政府に質問趣意書を提出した。07年に示された費用対効果は「2・9」、09年は「3・4」。今回の「6・3」は4年で2倍以上の増加だ。質問趣意書は便益の水は八ツ場ダムがない現状では毎年6788億円の洪水被害を想定している。利根川流域での被害額は年平均179億円に過ぎず、想定は実際の38倍。趣意書は過大な想定額の根拠をただしている。▼
杜撰な「検討報告書」について、整備局は「意見公募」した。5963件の意見が寄せられたが、うち5739人の意見は一字一句同じで、印刷したもの。八ツ場ダム建設促進を求めている。ほとんどが埼玉県在住者だ。これも「やらせ」ではないか。(11月30月)
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