コラム−12月19日
一番狙われた男
ギネスブックはロンドンのギネス社が発行する世果記録事典。実に様々な記録が載っている。重さ3178`のサンドイッチだとか、長さ28bの鉄火巻きとか。こんな記録だけなら楽しいが、こんど物騒な記録が掲載されるという▼
キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が暗殺されそうになった回数が世界一だという記録だ。キューバ政府によるとCIA(米中央情報局)の文書に基づく記録で、暗殺の企ては06年までに638回にのぼるという▼
暗殺の方法は狙撃、葉巻への毒の注入、野球のボールに仕込まれた爆薬など様々だ。いずれもキューバ政府が事前に情報をキャッチし、失敗に終わったという▼
1960年3月に、アイゼンハワー大統領が承認したカストロに対する秘蜜工作には、経済戦争、破壊活動、政治宣伝、それに麻薬を使用する計画も含まれていた。「麻薬をカストロの食事に紛れ込ませれば、カストロはばかげた行動をとり---」。マフィアを使った暗殺作戦もあった(ティム・ワイナー『CIA秘録』)(12月19日)