コラム−12月2日
格納容器を侵食
福島第一原発の原子炉圧力容器内は見ることができない。溶けた核燃料はどうなっているのか。東電が格納容器の水位や温度などから解析し、公表した▼
非常用炉心冷却装置が十分機能せず、注水停止時間が長かった1号機は、ほぼすべての燃料が溶け落ち、圧力容器底部を破損して相当量が格納蓉器に落ちたと推定。燃料がすべて格納容器内に落ちたとすると、格納容器の床コンクリートを最大65a侵食するという。床の厚さは1b余り。溶けた燃料が地面を突き抜ける現象「チャイナ・シンドローム」はない▼
燃料の露出まで2、3日の時間がありた2、3号機は、燃料の約6割が溶け落ちたと推定。そのまま格納容器に落ちたとしても、床コンクリートの侵食は2号機が最大で12a、3号機は同じく20aとした▼
解析とは別に、東電は格納容器内の気体の分析から、現在はコンクリートは起きていないとの判断だ。懸念すべきは、これで収束工程表スップ2の「冷温停止状態」を年内達成したという“政治判断”だ。(12月2日)