コラム－１２月２７日
事故「中間報告」
東電福島第一原発の事故について政府の事故調査・検証委員会は中間報告書を公表した。事前の過酷事故対策、現場の事故対応、政府の事故対応、被害拡大防止の4つの問題点を指摘した。「へぇー」と思ったことを書く▼
過酷事故対策。機械故障や人為的ミスだけで地震や津波などは対象にならなかった。津波による過酷事故対策を講じなかったのは「極めて大きな問題点の一つ」で、津波リスクを認知しないのは「問題の全体像を把握し、解決策ることが適切になされていたとは言い難い」▼
事故対応。1号機は非常用復水器(IC)が機能していないことに気づかず、原子炉の冷却ができていると誤認、原子炉冷却が遅れた。「運転員が操作に習熟しておらず、原子力事業者として極めて不適切」▼
「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)が避難指示の意思決定に活用されず」。住民は放射線量の高い方向に避難した。報告の「まとめ」は「『あり得ることは起こり得る』と考えるべき」と。(12月27日）