コラム−12月6日

検察の不遜

再審開始が決定した福井市女子中学生殺害事件について、名古屋高検釜沢支部は異議を申し立てた。再審を開始するかどうかは、名古屋高裁金沢支部の別の裁判長が判断する▼

再番決定は検察が開示した新証拠と旧証拠を総合して判断した。検察の異議は「旧証
拠を過小評価している」というが、決定は前川さん有罪の確定判決が認定した凶器や元暴力団員の証言を否定。「前川さんと犯人を結び付ける客観的事実は一切存在しない」と明快だ▼

確定判決が認定した凶器は包丁2本だが、決定は被害者の傷のうち2か所は別の凶器によるものと指摘。前川さんが事件後に乗ったとされる乗用車の「タッシュボードに血がついていた」とする元暴力団員の証言については、血液の反応がでなかったことを認めた▼

最高検は9月末、検察の使命や役割を示した「検察の理念」を公表。「無実の人を罰しない」起訴するのに有理か不利かにとらわれずに証拠を集め、冷静に分析する」としている。異議申立はこれに全然学んでおらず、不遜だ。(12月6日)

コラム2011年12月7日へ進む


コラムトップへ戻る(3月11日)


コラム4月1日へ


コラム5月1日へ

コラム6月1日へ

コラム7月1日へ

コラム8月1日へ

コラム9月1日へ

コラム10月1日へ


コラム11月1日へ


携帯対応−震災報告トップへ進む


携帯対応草木庵トップへ戻る