コラム−2012年1月11日
大震災10ヵ月
東日本大震災から10ヵ月たった。福島県では1次避難者はゼロ、2次避難者は1か所2人だけになった。約9万6000人が仮設と借上げ住宅で暮らす。県外への避難者は46都道府県に6万1659人。11月28日と比ベ1408人増えた。福島県内の死者は1925人、不明者は217人だ▼
野田首相が8日、被災3県の復興状況を視察にきたが、被災者や自治体から不満をぶつけられた。原発が立地する双葉町の井戸川町長は首相に「私たち双葉郡民を日本国民と思っていますか。法の下に平等ですか。憲法で守れていますか」と、不信をあらわにした▼
地元は政府の事故収束宣言に怒っている。原子炉が冷温状態になったから事故は終わりだなんて、誰も思っていない。避難区域の指定が解除されても除染が進まず、故郷には帰れない。生業には戻れない。県民の暮らしはめちゃめちゃに破壊された。国や東電にその認識はあるのか▼
放射性廃棄物の中間貯蔵施設を双葉郡内に、という政府の要請に、地元8町村は苦悩を見せる。(1月11日)