コラム−2012年1月13日
天上国家とカネ
資金管理団体「陸山会」の土地取引り引きをめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表の公判が東京地裁で開かれ、被告人質問が行われた▼
小沢被告は土地購入の4億円の原資について政治資金、銀行からの借入、個人の資産と二転三転させてきた。被告人質問では両親から相続した不動産の売却代金の残りや印税、議員報酬などとしたが、検察官役の指定弁護士の具体的質問には「記憶がない」と逃げた▼
土地取り引きが行われた04年当時、印税や議員報酬が振り込まれていた小沢被告の特定の個人口座から億単位の出入金はなかった。小沢被告はその事実を認めた。原資の説明が二転二転したのは「正確な記憶がなかっただけ」と主張した▼
小沢被告は「私の関心は天下国家の話で、それ以外はすべて秘書に任せていた」。3人の元秘書がみな有罪判決なのに、天下国家とは笑わせる。問題の政治資金収支報告書は「今も見ていない」という。とても国民が納得できる説明ではない。(1月13日)