コラム−2012年1月15日
「滅亡5分前」
核戦争で人類が滅亡するまでの時間を示万時計がある。終費。時計を管理する米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」の理事会がノーベル賞受賞者らと協議の上、針を動かすかどうかを決める▼
10日の発表では2年ぶりに針が1分進められ、人類滅亡まであと5分とした。同誌の声明は「2年前には世界の指導者が地球規模の真の脅威に対処するかに見えたが、その傾向は続いていないか覆されている」と失望感を表明。「核なき世界への道筋が明確でない」と批判した▼
声明は東電福島第一原発の事故にも触れ、「原子力発電所のような複雑なシステムが事故や判断ミスかや受ける影響をいかに少なくすることができるかという問題に対処すべきである」としている▼
終末時計は1947年から核戦争の危機を警告してきた。1984年は米ソ関係の緊張で滅亡3分前。21世紀は02年3月が7分前07年1月が5分前、10年1月は核軍縮機運の高まりや地球温暖化対策の動きが評価され、6分前だった。(1月15日)