コラム−2012年1月19日
イラン制裁の裏
イランの首都テヘランで核施設に勤務するモスタファ・アフマディロウシャン氏(32)が出勤中の車内で爆弾テロに遭い、死亡した。同氏はテヘランの大学で化学を教える傍ら、中部ナタンズのウラン濃縮施設で資材調達を担当していた▼
イランの核開発をめぐっては米国などが制載を強化しており、国際緊張の要因になっている。イランの核科学者らを狙った暗殺事件はこの2年間で4件発生している。イランは米国とイスラエルが関与していると強く非難している▼
アフマディロウシャン氏の葬儀には数千人が参列、「イスラエルに死を」「アメリカに死を」と叫んで、ひつぎを取り囲んだ。イランの最高指導者ホメイニ師は追悼メッセージで、「事件はCIA(米中央情報局)とモサド(イスラエル情報機関)の計画と支援で実行された」と名指しで非難している▼
10年1月に核物理学者が爆死した事件では、イラン人の男が「モサドから12万jで請け負った」と供述したとの報道がある。イラン制裁には表と裏があるようにに思える。(1月19日)