コラム−2012年1月3日
瓜田李下
瓜が実っている畑で履(くつ)をはきかえると瓜を盗ったように思われる、李(すもも)が実っている下を通るとき手をあげて冠を直そうとすれば、李を盗ったように思われるから、そのようなことはすべきではない。中国・戦国時代、斉国の故事「瓜田に履(くつ)を納(い)れず、李下に冠を整(ただ)さず」だ▼
内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、斑目春樹委員長含む24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から約8500万円の寄付を受けていた(朝日)▼
10年4月から委員長を務める斑目氏は06年〜09年東大教授当時、原発メーカー三菱重工業から400万円、安全委員の代谷誠治京大教授は審査委員だった06年〜09年に、審査対象対象の原子燃料工業から10万円日本原子力産業協会の地方組織から310万円受けていた▼
斑目委員長は「便宜は一切図っていない」。代谷委員は「審査で一言うことに変化はない」というが。疑われるようなことはすべきでない。(1月3日)