コラム−2月1日
「身を切る」論
「身を切る」とか、「身を削る」とか、いま水田町はいささか血なまぐさい。野田首相の「社会保障と税の一体改革」で消費税引き上げを表明したことに、国民は「増税の前にムダをなくせ」と声をあげた。「身を切る」論は国民の批判に対するパフォーマンス臭い▼
民主党は「1票の格差」是正を理由に小選挙区の定数を「0増5減」するとともに、国民の批判に乗じて、マニフェストに掲げた比例定数80削減を強行しようとしている。それが「身を切る」論の狙い。消費税引き上げに絡め
て出してきた▼
選挙制度改革は多様な民意を正確に反映するようにすべきで、比例定数削減は大政党有利に民意をゆがめる小選挙区の罪悪を拡大する。09年総選挙得票を比例定数80削減で試算すると、民主の議席占有率は64・2lから68・8lに、自民は24・8lから23・5lに、公明2・5l、共産1l、社民0・8lになる▼
本当に「身を切る」なら、総額320億円の政党助成金を廃止すべきだ。各党が皆、共産党のように貰わなければよい。(2月1日)