コラム−2月14日
「8週齢規制」
「鈴木さんの所で男の三毛猫が四匹生まれたので是が大きくなると、一匹五百円、A員りせて四五(しご)二千円だと喜んでいるうちに二匹は病気で死んで仕舞った」。漱石の明治44年6月12日の日記にある▼
三毛猫のオスは滅多に生まれないので珍重されるが、明治の末に五百円とは高い。『吾輩は猫である』の作者は猫に関心があったらしい。ペットショップがなかった昔、猫の値段はどうして決めたのだろう▼
動物愛護管理法改正案が今国会に提出されるが、犬猫の「8週齢規制」が法案に盛り込まれるかどうか。犬猫の売買は生後40日からと、ペット業者は自主規制している。犬猫を親から引き離すのは何日以上がよいか。獣医師へのアンケートでは「8週齢以上」が81・3lだった▼
幼齢のペットは体力がなく、早い引き離しは問題だ。少なくても8週齢(56日)は親や兄弟と一緒にいることで、彼らの社会のルールを学ぶ。ペット業者は8週齢はエサ代がかかり、可愛い盛りに売れないと反対。動物愛護団体と対立している。(2月14日)