コラム−2月18日
周波数の違い
1896年(明治29年)、東京電燈は浅草火力発電所にドイツのAEG社から265`hの発電機を導入した。周波数は50ヘルツだ。翌年、大阪電燈が導入した米国GE社製の発電機は60ヘルツ。周波数の違いなど、当時は問題にならなかったらしい▼
以来、今日まで静岡県富士川を境に東は50ヘルツ、西は60ヘルツのままだ。大正の初期や終戦後に周渡数統一の動きがあったが、実現しなかった。周波数が分かれている国は珍しい。電化製品は周波数が違うと動きが悪く故障する▼
原発事故で電力が不足した昨年夏、周波数を交換して東西の電力を融通したが、周波数を変換できる「変換所」は東西の境に新信濃(長野県)、佐久間、東清水(ともに静岡県)の3か所しかない。能力は計100万`hで全国の発電能力の1鉢に満たない▼
経産省は周波数を変換する設備を増設するよう、専門家を集めて研究会を作った。具体的な基本計画は5月頃になるという。東西の電力が交流できれば、離れた電力会社から料金が安い電気を買えるようになる。(2月18日)