コラム−20124月1日
避難区域の再編
全国を放浪する寅さんは、たまに故郷の葛飾柴又に帰ってくる。妹のさくら、おいちゃん、おばちゃん、タコ社長、江戸川の土手や柴又帝釈天の境内など、故郷の人情と風景は懐かしい。「故郷って奴はよ…」。寅さんは故郷への思いを切々と語る▼
若い頃に家出した寅さんはいつでも、ふらりと故郷に帰れるが、原発事故で追われた避難者は簡単には戻れない。各地の仮設住宅に散らばり、一時帰還はできるが、また住宅に戻らねばならない▼
政府は原発事故の住民避難区域を放射線量に応じて再編することをきめた。新区域は年間50_シーベルト超で5年後も20_シーベルトを下回らないとみられる「帰還困難地域」、年20_超で50_以下の「居住制限区域」、年20_以下で住民の早期帰還をめざす「避難指示解除準備区域」の3つだ▼
南相馬市は「帰還困難」「居住制限」「解除準備」の3区域に、川内村は「居住制限」「解除準備」の2つに。田村市は「解除準備区域」にした。残り8町村をどうするかは協議中で、先送りだ。(4月1日)