コラム−20125月12日
代読裁判が勝訴
岐阜県中津川市の小池公夫さん(72)は07年春まで市議を2期(日本共産党)務めた。1期目の終わり頃、下咽頭がんが見つかった。医師から、声帯をとらないと6ヵ月の命と告げられ、手術を受けた▼
手術後はうまく声がでなくなり、議会での発言ができなくなった。一般質問の原稿を代読してくれるよう市議会議長に申し出たが、議会側は本人が使えない声帯変換機能付きパソコンを使つようにと、代読発言は認めなかった▼
小池さんが代読による質問が認められないのは不当だと争った控訴審の判決が11日名古屋高裁であった。渡辺修明裁判長は表現の自由と参政権に対する侵害は悪質だと認定、市に300万円の支払いを命じた。判決は障害を持つ議員の発言方法は議会の自主性・自律性にゆだねられるとし、小池さんが主張した「自己決定権」には明確な言及を避げた▼
議会は小池さんが主張した代読を27対5で否決。小池さんは代読に反対した議員と市を提訴。一審は参政権の侵害は一時期に限ったことと、軽い判決だった。(5月12日)