コラム−20125月6日
仮名漢字変換
仮名で入力し、漢字に変換する日本語ワープロの機能はたいした発明だ。湘南工科大学の天野真家教授(64)が東芝の社員だった77〜78年頃に単独で発明した。東芝は天野氏らの名で特許を取得した▼
仮名漢字変換の実用化でもっとも厄介なのは同音異義語の処理だった。試作機で実験中、ある単語を選択すると次もその単語を選択する率が高いことに気ついた。数ある候補のうちから選択した単語を覚えておき、次に変換するときはその単語を最初に表示するようにした。これが最新学習機能だ▼
これで操作性が劇的に向上し、ワープロ実用化のメドが立った。特許番号1280689の[同音語選択装置」は77年11月24日天野氏らの名前で出願された(古瀬幸広『ワープロここが不思議』)▼
天野氏は特許技術の発明対価は不十分、と東芝に約3億2600万円の支払いを求めて提訴。控訴番の知財高裁(塩月秀平裁判長)で和解が成立した。和解内容は公表されていないが、天野氏は記者会見し、「大変満足している」と語った。(5月6日)